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信用というコスト

 最近、日本企業が信用性を喪失させるような案件が多数発生しています。理由はたくさんあります。中には基準そのものが高く、他国ではそもそも取りざたされないような項目であるとの指摘もあります。いずれにしても、日本製の製品がそのブランドをたもつためには信用性がカギになることは確かです。価格競争では勝ち目はないのが現状ではよいものを提供し続けるしかありません。

 信用性を確保するためにはコストがかかります。一流の技術者を雇用し続けることはそれだけで大きな投資になります。社員の士気を保ち高めるためにも何らかの工夫が要ります。それにまた金がかかることもあります。それらが製品価格に上乗せされるわけですから日本製は高くならざるを得ません。

 高ければ売れない、売れないからコストダウンをする。すると日本製のアドバンテージが損なわれる。それがいまの状況なのかもしれません。私には現状を打破する方策が思い浮かびません。ただいえるのは経済学的な考え方だけでは戦えないということです。物を作り売ることに対する情熱や、よいものを目先の価格にとらわれずに見抜く消費者の選択眼のようなものを育てることが必要でしょう。精神論だといわれればそれまでですが。

 消費が自分の利益だけにとどまらず、社会全体に影響を及ぼしているということももっと意識する必要があるのではないでしょうか。それは教育の大きな役割かもしれません。大局をみて行動することは実は難しい。でも、やらねばならないことです。