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基礎学力

 AIの技術進歩が教育界にもたらしている影響は計り知れないものがあります。コンピューターに知の領域を乗っ取られないためにどうすればよいのか。恐らく10前ならSFの領域だった危惧を今は真面目に考えなくてはならなくなりました。アクティブラーニングなる考え方も授業改革の域を超えて、機械化できない学力の養成を意識するものになっています。

 ただこれが中等教育以前の話になった時には注意が必要です。この段階ではやはり基礎学力が欠かせません。それがある程度担保されていたことが日本の教育の強みであり、これからも継続すべきものなのです。

 新しい大学入試共通テストを表面的に捉えると教養主義的なものから実用的なものへの変化があります。これが従来の読解力養成中心の教育の否定と捉える向きもあるようです。しかし、私はそうは思いません。

 これまで以上に思考力を問うからにはそれを支える基礎学力のトレーニングが求められるのではないでしょうか。国語でいえば漢字、文法、作文、論理的読解問題、要約といった従来の教育を能率よく継続すべきだと思うのです。

 初等中等教育まであまりに実践的にし過ぎると本来の目的を見失うことになります。