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まだないものを作る力を支えるのが国語教育

 教育の世界での価値観の変動は少しずつですが着実に起きています。そして2020年の入試改革を機にそれが形となって見えてくるようです。

 今私が注目しているのが、まだないものを作る力です。つまり、現状では方向性が決まっていない問題に対して解決策を自分で考え、より素晴らしい考えを生み出すための力です。この点に関しては、コンピューターのプログラミングなどに注目が行き、理系的な分野への注力がなさています。イノベーションがモノのレベルで求められているからでしょう。

 ただし、これは決してモノだけの問題ではありません。社会の仕組みや仕事の運用方法、さらには根本的な価値観、人生観なども実はこれまでにはない知見によって大きく変化する可能性を持っています。

 どうしたらより好ましい結果が得られるのかについて試行錯誤できる能力は思考力の養成によって担保されます。思考は言語によってなされます。そしてそれが母語の能力に深く関係しています。国語教育はそれを支えるものであることは明らかです。

 国語教育がまだないものを生み出す原動力であるという認識は国語教員のすべてが共有すべき事項だと考えます。国語教育に意義を感じていない人はこの点に気づいていない。教員はこの事実をもっと説明すべきなのです。