はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

伝わっていないことを前提に

 中学生に国語を教える際に忘れてはならないのが、自分の「常識」と生徒のそれとの違いを意識することです。こんなことは言わなくても分かっているはずだという前提を置かないことが大切なのです。

 私の教えている生徒は比較的学力が高く、家庭的にも恵まれた環境におかれているものが大半を占めます。しかし、そうであってもやはり大人の知のフレームと子供のそれとは異なります。また、最近は小学生時代にほかの年齢層の子どもや大人たちとの接触を十分にしていないせいなのか、人間関係を築く上での基礎的な知識や言葉を獲得できていない生徒が多いように感じられるのです。

 だから、自分の話していることは伝わっていないことを前提として話をしたり、作業をさせることが大切です。それは外国人にものを教える時の方法につながります。異邦人とのコミュニケーションの方法で教えることは、生徒にとっても大切なのかもしれない。常識を前提としないコミュニケーションの力を磨くことはこれからの社会ではとても重要だと思うのです。