はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

働かざる者

 働かざる者食うべからずなる諺は怠惰を戒める言葉として伝えられてきました。絶対的な真理と思われたこの言葉が変容しつつあります。

 労働には報酬があり、それを個人の財産とするのが私の常識です。様々な事情で働くことができない人には社会システムの中で救済することで社会の安定を確保するというのも当たり前と感じています。ところが、AIの発達が多くの職を奪い、働けない人口が急増することが見込まれるようになると、ベーシックインカムという最低限の生活保障という考えが注目されるようになっています。

 貧困層を増大することのリスクより、社会の中で金を回すことの方が国家的な利益につながるというものでしょう。問題は勤労が社会の福祉に寄与することはイメージできても、消費がまたそれに当たることは分かりにくいということにあります。蓄財よりも消費が社会のためになるというのは伝統的価値観から乖離しています。

 働かざる者ではなく、使わざる者が非難される時代が来るのでしょうか。