はてなの毎日

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古典に学ぶ

 現代に比べると古典文学が生まれた時代の人々の社会は単純といえます。単純というのは稚拙とか安易という意味ではないことは周知の通りです。社会保障システムのない状況で生きるのは想像を絶する厳しさがあるでしょう。人権という概念がないのも私たちには耐えがたい。

 それでも単純な社会を生きていたが故に表れた人の生き方が描かれる古典文学を読むことは意味があります。生きるために人はどのように振る舞うのか、他人とどのように関わるのかを考えるきっかけになるのです。

 中高の古典教育においてもこうした問題を取り扱う時間を増やしていかなくてはならないと常々考えています。古典を暗号解読ののように読み、設問に答える技の習得のみに特化した教育は深い学習には繋がりにくい。大学入試レベルでも古典の内容を問う問題を増やしていただきたいと思うのです。