はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

友達

 この数十年で意味が激変した言葉の一つに友達があると思います。唱歌「ふるさと」の中にともがきとして登場するのは同郷の幼なじみであり、子どもの歌の「1年生になったら」は同級生をさす友達が話題になっています。この場合の友達は時空を共有する顔見知りであり、愛憎の人間関係が直接的に展開する存在です。実際の友人関係には濃淡があり、自分に何人友達がいるかはよく分からないのが現実です。

 ところが、私には友達が256人いるというようないい方がネット上では言えるようになっています。SNSなどでの友達という関係はマウスの操作や画面のタップだけで完成します。関係解消も同じように指の動きだけで成されます。

 リアルな人間関係の困難なバックストーリーとは裏腹にバーチャルな友達は軽薄に増減していきます。見たこともない友達同士は互いに対する関心が少なく、友達の数として等閑視されていくのです。

 学校の教員としてやらなくてはならないことに人間関係のあり方を教えるということがあります。仲よくしたり喧嘩したりすることがリアルな人間関係であり、それにどう折り合いをつけていくのかを示すことが、学校の大きな役割だと考えるのです。