はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

散ってしまったけれど

 近くの公園で桜まつりというイベントが行われていました。おそらくこの日くらいまでは桜が咲いているだろうという見込みであったのだと思います。公園の桜はよく探しても一樹に一二輪あるかないかの葉桜状態でした。おまけに肌寒く天候的にはあまり恵まれない状態です。それでも地域の物産や、他県の名産を売る露店が並んでいました。

 報道によると他の地域でも桜を冠する様々な祭りがこの週末に行われているようです。桜まつりは花そのものを鑑賞することはもちろんですが、桜咲く春になったことを祝い、今後の幸せを祈願するという意味合いがあるはずです。民俗学の成果によれば桜は農業との関わりが深く、それを祭ることは豊作祈願の行動と関連があります。花はなくても祭りをする意味はあるのです。農業が基幹産業ではなくなった今でも、その精神は続いているはずです。

 桜の花は散ってしまったけれども、新しい季節の始まりは確実に訪れました。4月から新しい学校・職場に移った人たちへのお祝いとして、たくさんの花を贈りたい。それがたとえ見えないものであっても、そう思っている人はたくさんいることを分かっていただきたいと思います。新しい顔ぶれがもたらしてくれる可能性の大きさを私たちは期待したいのです。