ネットネイティブ

　インターネットが普及してもう20年くらいたち、今の子どもは生まれたときからインターネットがあるのが当たり前の人生を送っています。特に工学に詳しくなくともICTを操作して生活することができることは、考えてみれば日常のあり方を一変させたのです。

　そういう生活が当たり前の世代の考えることはやはりそれ以前の世代とは違うことに気づきます。時空に対する楽観的な考えもそれです。遠くても過去のものでも検索して資料にたどり着けると考えるのです。

　現実の事柄に向き合う真剣味あるいは逆に翻弄されることも少なくなりました。リアルの重みが相対的に軽くなっているのです。

　後世の研究ではきっとこの時期はさまざまな変節点であったと位置づけられるはずです。思想史的にも変化の激しい時代として位置づけられるのではないでしょうか。