はてなの毎日

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俯瞰図への変換

 一部の車に自分の運転する自動車を真上から見下ろしているかのような映像を見せてくれるトップビューカメラなる機能があることは前から知っていました。これがどのように映像を作り出しているのかについてはよく分からなかったので気になっていました。今は便利な時代です。ネット検索だけで一応の解答は見つかります。

 日産のサイトによれば、これは画像変換の組み合わせでできているのだといいます。私たちは本を読むとき真上から文字を読むとは限りません。斜め上から読むことが大半ですが、それでも字が歪んで見えないのは、頭の中で映像を変換しているからだといえます。これをカメラでもやってみせているのです。車の場合は前後左右の車体に広角レンズを備えたカメラを同時に稼働し、これを即時に真上からみた映像に置き換えているのだそうです。

 この話には物事の見方に関してヒントになることがあるような気がします。私たちは物事を俯瞰的に見るとか、メタ認知をするといったことを大切だとよく言われます。しかし、どうしたらそういうものの見方ができるのかということに関してはあまり説明を受けません。たくさん経験を積めばよいとか、本をよく読めばわかるようになると言われます。結果的にそうなのですが、何か漠然とした感じが否めません。

 いつも見ていることを変形して俯瞰的思考が出来上がっているのだという認識があれば、少しだけ分かったような気になります。次はその変形の仕方を完全ではないにしても示唆してもらえればより分かりやすくなるような気がしています。俯瞰的思考はAIの苦手とする分野だと思います。これを人間の方が鍛える手法を獲得しておくことが教育の急務だと思っているのです。