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コンクリートは朽ち果てる

 イタリアのジェノバの高架橋モランディの大規模な崩落は映像だけでも恐ろしさを十分に感じさせるものでした。1963年に着工し、67年に竣工したというので築50年といったところです。50年という人生のスパンにも満たない期間で崩れ落ちてしまった現実はなにもイタリアだけの問題ではありません。

 架橋の崩落事故は世界各地で繰り返されてきました。London Bridge is broken downは歌詞として有名ですが、実際にロンドンの橋が崩れたのはかなり昔のことだったようです。日本では江戸時代、1807年の永代橋の崩落は有名です。近年でも1940年のアメリカのTacoma Narrows Bridgeの崩落や、中国での高架橋崩落など世界各国で起きています。

 設計ミスや天災による崩壊も恐ろしいですが、何もなくても老朽化によって瓦解するという事実により恐怖を感じます。コンクリートの寿命は長いものと考えられがちですが、人間の一生にも満たないというのが現実です。それを持たせるには絶えずメンテナンスが必要なようです。

 都市に建てられ、今も増殖し続けているたくさんの建築物は劣化する運命を抱え持っているものばかりです。いま高度経済成長期に作られた建造物の大半に老朽の黄信号もしくは赤信号が灯っているようです。メンテナンスをする余裕とそれをなしうる技術者を確保しておかなくはレガシーは限りない負担へと変質してしまうことになるのです。