はてなの毎日

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chikan

 真偽は確認していないのですが日本への旅行情報に痴漢被害の可能性について言及している国があるとのことです。そこでは chikanがそのまま使われているとのこと。大変不名誉なことです。確かに駅に行けば「痴漢は犯罪です」といった何とも奇妙なメッセージのポスターが貼られており、痴漢の被害にあったという女性の話をしばしば耳にします。礼節の国民と自賛している暇はありません。

 私は幸いのところ痴漢の現場に同席したことはありません。ただ、今後その可能性がないとは限らないのです。それほど身近な犯罪としてchikanが存在しています。異性に対する興味を持つことや衝動的な行動を起こそうとすることは生物的な本能によるものであり、それ自体は防ぎようがありません。ただ、それを実際に行動にするかしないかは文化人としての能力であり、経験や教育に基づく必要なスキルといえます。

 語弊を恐れずに言えば、痴漢として摘発された者すべてに悪意があったとも思えないこともあります。私の使う通勤電車は全国でも有数の混雑路線であり、朝夕のラッシュ時には乗客の距離がほとんどれません。パーソナルスペースが確保できないのです。合わせて最近は混雑時にもスマートフォンなどを操作するため重心を浮かせ、なおかつ自立しようとする努力を怠っている乗客もいて性別にかかわらず体を接触しても憚らない人も増えています。不如意な身体接触の中で痴漢にされた人もいるのかもしれません。冤罪も含まれていることは確かです。私はそうならないため、混雑時は必ず両手でつり革を持つようにしているほどです。

 痴漢被害がこれほどにも多いのは、こうした日本の交通事情にも原因があります。また通常は男女の接触を極端に避ける文化の反動という面もあるのかもしれません。日ごろから適度なスキンシップが許されているのならば、犯罪行為的な行動はかえって抑制されるのかもしれないと考えます。

 私はこういう問題に対してこれまで文章で語ることはできなかったのですが、さすがにこの歳になると、距離を置いて考えられるようになってきています。性的な問題に関しては社会全体の意識改革が求められるのかもしれません。