はてなの毎日

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なと思います

 「ほぼほぼ」「基本」「の体で」など流行語とも言えるような表現を最近頻繁に耳にします。「ほぼ」「基本的に」「のように」と言っていたものをそのように言うと今風になるからでしょうか。教員仲間でもごく自然に使う人が多数います。いわゆる造語ではなく、従来あった語の意味拡張もしくは誤用なので抵抗がないのでしょう。

 誤用ではないけれども気になる表現に書き言葉における助詞の使い方があります。終助詞の「な」は話し言葉的は雰囲気を強く持つので、少なくとも目上や不特定多数に当てた文章においては避けるべきだとされてきたと思います。ところが、「よいなと思います」「であるべきだなと考えます」という書き言葉の例をよく目にするようになりました。生徒の作文を添削しているうちに、意識に残り、大人の書いた文章の中にも見つけたのです。

 話し言葉と書き言葉の距離は時代世代によって変化しています。両者は今後接近していくのでしょう。「な」の挿入は文法的な誤りも意味上の問題もありません。ただ、書き言葉の持つ秩序というのか格というのか、名状しがたい何かを逸脱していると感じるのは私だけでしょうか。

 国語教師は言葉については適度に保守的であるべきです。少なくとも流行に乗って話したり書いたりしているか否かは意識できる感覚は保っていたいと思います。