はてなの毎日

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便利さと引き換えに

 私も電子マネーを利用することが増えました。銀行の利子を超えるようなポイントがつくことが魅力で始めたところ、スマートフォンやウェラブル端末で決済が可能なことに利便性を感じ、いまでは財布を出さずに買い物をすることにすっかり慣れてしまいました。

 海外ではこの支払方法が急速に発展しているようです。贋金が横行していた国ではその防止策にもなったようで、財布を出さずに買い物はむしろ国外の方が進んでいるという話もあります。この便利な機能ですが実は大きな代償を支払っているようです。

 電子マネーの使用状況はネットワークを通じて収集されます。その管理者は誰がいつどこで何を買ったのかという顧客情報を一手に握ることになります。これでその人の行動様式や価値観、嗜好などたいていのことが推測できる情報が回収されることになります。そしてその情報がどのように利用されるのかは私たちには知らされません。

 中国のような社会主義国ではこれが国家の中枢で管理されることになります。国民の動向がビッグデータとして日々集まることになります。これは社会主義国ではなくても実は同じです。巨大企業がその役目をするだけであり、やはり利用者は知らないうちに監視され、管理されることにつながるわけです。

 何かを検索すれば、自分の興味のありそうな記事が先に掲載され、ほしくなりそうな商品の広告が選択されて表示される。そんな機会が繰り返されていくうちにあたかも世界は自分の興味を中心に回っているかのように錯覚する。どんどん周囲が見えなくなっていく。監視者の意向に少しづつ従っていくようになる。そんな危険性を今のシステムは持っていることを忘れてはならないでしょう。