はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

ここで閉まります

 ラッシュアワーの駅員さんの苦労は察するに余りあります。人は混雑すると怒りっぽくなりますし、万一事故が発生したときは臨機応変の対応が必要です。マナーの悪い客にも注意はできず、痴漢の報告があれば警察代わりの行動もされるのでしょう。

 そんな駅員さんのラッシュアワーのアナウンスには様々な工夫があります。客にお勤めご苦労さま、いってらっしゃいませとねぎらいの挨拶をし、駆け込み乗車をやんわりと制する一方で、乗り切れなかった人にはただ今の電車をお見送りくださいましてありがとうございますと、あたかも厚意のごとく扱います。

 最近、耳にした傑作は、ここでドアが閉まります、というアナウンスです。ドアが閉まることが決まり切った運命であるかのような、そしてそれに抗うことはできないかのような雰囲気を瞬時に醸し出すところはさすがだと思いました。でもこの言い回しも何度か聞けば刺激がなくなるはずです。

 そんな言葉のテクニックを考えるのも駅員さんの苦労の一つです。