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アイドル定年制

 ジャニーズの人気アイドルグループが活動停止を発表しました。昨年もその前も観客動員力のあるアイドルが引退や解散をしたことから、それらの間に何か関係があるのかもしれないと考えてみました。以下、単なる憶測で根拠はありません。

 アイドルグループを売り出す団体の共通点は大量の人材をデビューさせて競争させ、評価を得たものだけに活動を継続させるという方法です。この方式が成り立つためには、十分な顧客層が存在し、新たに誕生するアイドルに寛容かつ情熱的なファンが潤沢に存在する必要があります。

 しかし、実際には人気はごくわずかな人物もしくはグループに偏在して、新人が浮上する機会は限られています。テレビのレギュラー番組やCM契約などにしても新人アイドルの参入できる隙間は少ない。少数が大半を占めるというのが実情です。昨今は国内のみならず海外のタレントの参入も多いですし、少子高齢化も彼らの顧客(ファン)を減らす要因になっています。シェア獲得は熾烈を極めることになります。

 アイドルの場合、その売り方にもよりますが、一定の年齢を越えるとそれ以前の歌って踊ってという本業だけでは立ち行かなくなる。かといって懐古的なセールスしかできなくなるともはやアイドルの範疇から外れてしまいます。実際には彼らにはその時点で俳優とか司会業など、本職以外の特性を獲得しており、そちらで活躍した方が本領発揮ができるようになっています。中にはそこで第2の芸能人生を順調に歩む人もいます。

 妙な言い方ですが、アイドルを売り出すエージェントはタレントの卒業、もしくは引退を予め見込んでいると思います。そうでないと市場がいっぱいになる。新陳代謝を繰り返す仕組みが織り込まれているのです。アイドルから次の段階への展開に一種の既定路線が出来上がった今日では、アイドルでい続けることへ内外からの圧力がかけられているのかもしれません。自らを育てた芸能事務所の利益にかなうためには次世代へのバトンタッチをしなくてはならないという考えが自然に芽生えるのでしょう。

 マネージャーの陰謀説、メンバー不仲説などもしばしばささやかれます。しかし、それがもしあったとしても人気グループ解散の決定的要因にはならない。むしろ自ら進んで次の段階に上がることがアイドルの宿命と自覚しているという事実があるのではないでしょうか。もしそうならば、アイドルにも何歳という決まりはないものの一定の年齢に達すると自らその立場の終了宣言をする定年のような段階があるのかもしれません。