はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

過去の自分

 数年前に自分が書いたものを偶然発見して思ったことがあります。これを書いた覚えがない、全く忘れてしまっているということです。そういうことが時々あるのは自分の記憶力が怪しいことや、そういうことが起きる年齢になってきていることを意味するのかもしれません。

 おそらく急場をしのぐために急いで作ったものであったと思いますが、読み返すとそれなりの配慮や工夫は入っている。それなのに書いたこと自体を忘れてしまっているのです。

 過去の自分は正確には現在とはまったく別の存在ということもできます。私を構成する物質の多くはすでに入れ替わっており、そこから紡ぎだされる記憶や感覚も別のものに変化してしまっています。今の自分と過去の自分がつながっているというのは、おそらくは気休めの意味なら言えても、実態は異なっているのです。

 もちろん過去の自分に対して今の自分は責任を持ちます。過去に行ったこと、言ったことを基にして現在の思考や行動が規定されていくのです。そのためには自分が過去に言動を少なくとも記憶しておく必要があります。その記憶が全く途切れている場合、始めに述べたような驚きの発見になるのです。

 私は過去の自分を手放さないようにしなければならない努力を意識しなくてはならない時期に入っている。そう実感しています。