はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

物質としての感情

 脳科学の関係する本を読む機会が増えています。自身も家族もそうしたことに関心を持たざるを得ない環境にあるからでしょう。それらの本に共通するのは、感情という身体とは一見独立したものとみられがちなものが実はきわめて身体的な要素であるということです。

 様々な感情は体内で活動する物質のやりとりで形成されるといいます。ある物質の流量が増減することで感情が変化することはかなり前から知られています。それがより緻密になり、複雑なメカニズムが少しずつ明らかにされつつあります。

 研究が完成すればやがては感情の定量化がなされるかもしれない。現在でも抗うつ薬などで利用がある脳に働きかける薬物がより広く使われるかもしれない。などと妄想は広がるばかりです。

 感情が複数の物質の配合率で決まるならば、いったい自分とは何なんだ。そういう思いが再び立ち上がります。自分はアドレナリンでもドーパミンでもない自分なんだと言いきりたいと思います。その感情もまたいくつかの物質で構成されているかもしれない。私の混乱は止まらなくなるのです。