はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

詩の授業

 詩の授業は生徒のときは気楽でした。覚えることも問われることも限られているし、解釈も多様性が認められていたからかもしれません。

 教員の側に回ってみると詩の授業ほどやりにくいものはない。限られた時間内で詩の世界を理解させなくてはならないし、表面をなぞるだけならばあっという間に終わってしまう。扱いにくいので他の教材のすき間に埋めるぐらいの位置づけになってしまう。だから、踏み込めるところがなくあっさりとした授業になる。

 詩の授業ではおそらくやれることはたくさんあります。我が恩師は詩の授業がお得意でした。朗読を重視し暗唱もさせた。大声で読ませたり群読したり、とにかく情に訴える授業で詩の世界を体験させてくださいました。論理的思考力ばかりが重んじられる昨今ですが、情緒の理解とその表現力を身につけることほど今後の時代に求められるものはないでしょう。

 私は詩を作る過程を経験させることも効果があると考えています。例えば色彩を表す語を一切使わずにある色のことを表現する詩を作らせるのもいいのではないでしょうか。暗喩の方法を体験させるのです。比況の語を使ってはいけない語として予め指示しておけばゲーム、クイズ感覚で取り組むこともできそうです。

 詩の授業を印象に残すために試行錯誤しているのです。