はてなの毎日

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人のため

 勉強ができるということが特権のようなものになっていく時代になりつつあります。日本では誰もが平等な機会を与えられるというのが教育の基本にながらくありました。でも、現実にはそうではありません。親の職業や収入、信条、住んでいる地域などによって教育を受ける機会は決して平等にはなっていない。さらに中等教育以上になるとその差は広がり、大学に入れるか否かも詳しく見れば環境要因が本人の努力を上回っていることが多くなってきました。

 学習環境に恵まれた子どもたちに教えなくてはならないのは、自分の恵まれた環境に対する感謝です。そして、それを特権として他を蔑視するような人物には決してしてはなりません。社会格差が不平等によって生じることは決して社会的利益にはつながりません。むしろ将来の破滅への道筋を作ることになるのは歴史が教えてくれることです。

 選ばれた子どもたちにはまずその自覚を与え、さらには社会の固定化がもたらす害悪を教えるべきです。そして、社会のために何ができるのかを常に考える人材にしていかなくてはならない。人のために何ができるのかを模索することが結局は自分の幸福につながるという真実を実感を持って分からせなくてはならない。

 我が国の中で起きている静かでしかも深刻な自己主義の進行を食い止められるのは残念ながら有利な立場にいる側の者なのですから。