はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

読書感想文を書くなら自分のことを

 以前にも同じようなことを書いたことがありますが、その時期になってきましたので再度書きます。今考えていることを踏まえますので前回とはすこし違った意見になっています。読書感想文を書くならば書評ではなく、自分のことを中心に書くべきだというのが私の持論です。

 読書感想文はあくまで本を読んだ感想を書く文章だと考えます。もちろん、本から受けた印象を書くのであって、まったく自分の言いたいことだけ書くこととは違います。でも、多くの人が陥りやすいのは専門家が書く、書評のまねごとになって書いた本人の感想が欠落していることです。もっとひどいのはあらすじだけを綴って、最後に私もそのように生きたい、などと汎用性のある言葉で締めくくって結局自分の思いが記されていないことです。

 感想はあくまで個人の意見であり、人によって大きく変わって構いません。恋愛小説を読んで政治のことを考えたり、逆に経済の仕組みについて書かれた文章を読んで人生の不思議に思いいたったとしても何ら不思議はないのです。自分の感じたことを書くべきであり、それが読書感想文を書く本来の意味です。

 対象する本を読み終えたら、その内容を身近なことにひきつけて考え、自分を主人公にして話を組み立てなおすのがよいと考えます。独りよがりな読み方こそ新しい考えを生み出します。ただその際に、例えば小説なら展開を変えてはいけません。私なら、このように行動する、そもそもこのようなことをしないという感想ならば小説の世界を壊してしまいます。あくまで、主人公と同じ行動をし同じ結末を迎えたと仮定してから自分の世界にひきつけるのです。

 大恋愛の末に死を選んだ主人公が描かれている小説を読んだとしたならば、死後の世界ではどのようなことを考えるのかを自分なりの視点で書くのもいいと思います。自分の思いを書くことが読書感想文です。それを他人にも分かるように書くのが文章力の養成にもつながります。