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日本企業のChromebook進出

 NECChromebookに参入することが決まったというニュースがありました。教育用のICTとしてアメリカでは主流である機器ですが、日本メーカーが事実上手付かずであった分野への再参入ということになります。少々期待しています。

 Chromebookは簡単に言えばChromeというOSですべてを動かす限定的なパソコンです。Windowsのパソコンで動いているChromeというブラウザソフトだけ動くパソコンといえばイメージしやすいでしょう。実際はこの言い方は間違っているようですが。

 Chromebookの特徴にはスペックが低くても十分に動くという利点があります。起動も速く、スマホと同レベルです。いやそれよりもはるかに速い。私が持っているすでに生産を中止している東芝Chromebookは起動時間は10秒程度です。もっとも私の場合はいつもスリープ状態で使っているので蓋を開けた瞬間に起動します。欠点としては使えるソフト(アプリ)が限られていること。オンライン状態でなければほとんど使えないことなどがあります。文書を書いたり表計算ソフトをつかったり、プレゼンのスライドを作ったりする分には十分に使えます。私の場合はMicrosoft Wordで作る縦書き文書ができないのが痛恨事ではあります。私がほとんどやらない動画編集とか複雑なプログラミングなどはできないようです。ゲーム類もほとんどできないらしい。

 教育の場面でChromebookが普及しているのはネットワーク管理がしやすいということにあります。生徒に扱わせたくないソフトを制限したり、推奨するものを配信したりというのがある程度はできるのです。価格が安価なこともありますが、最も教育現場が重視しているのはこの管理関係でしょう。

 これから教育の現場でICTが普及していくのは間違いありません。そのために適当な機器の一つであるChromebookに日本企業が参入していないのはどうしても納得がいきませんでした。この事業を成功させるのためには教育界ならでは事情を理解したうえでの展開が欠かせません。ハイスペックなものよりも軽量であること、壊れないこと、つまり堅牢性と耐久性、そして故障した時の保証制度、代替機貸与制度などの要素が重視されます。また、競合他社との競争に勝つためにはどれだけ教育関係のソフト(アプリ)を提供できるか、また教師や生徒に対してどのようなサービスを展開できるかにかかっています。機械を売るだけならば価格だけの競争になりますが、ソフト面も含めて現場では選定することになるでしょうから。

 日本の教育現場が抱えている諸問題を理解し、それに応じたサービスをすることができるのは国内企業ではないかと考えています。それもできないようならば教育のグローバル化の名のもとに、日本の教育文化は一層摩滅していくことになるかもしれません。