芸術の力
ウクライナ国立歌劇場管弦楽団のコンサートに行ってきました。演目はチャイコフスキー「白鳥の湖」とベートーヴェン「交響曲第9番」でした。第九はなぜか年末の風物詩になっていますが本来は季節とは無関係の曲のようです。ただ、いかにも年末を飾るにはふさわしい豪華な演奏と力強い歓喜の歌が印象的なので感動を覚えるのは確かです。
白鳥の湖はバレエ音楽でありながら楽曲だけでもストーリー性があり、情景が浮かび上がります。メリハリの利いた演奏でドラマティックでした。何度かバレエを見たことがあるせいなのかもしれませんが、バレリーナの姿が脳裏に浮かべながら聴きました。
第九は合唱のある第4楽章はもちろんですが、その前の第3楽章がとても素晴らしく感じました。いつも合唱を期待して疎かに聴いていたのですが、この楽章があるおかげでフィナーレの力強さが引き立ちます。
同じ曲でも演奏者がちがい、自分の立場が変われば印象が全く変わるものであることを改めて知りました。芸術の力はそういうことをいつも示し続けてくれることにあると実感しています。