はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

教育

発動させる力

教員の仕事の大部分を占めるのが学びたくなる気持ちを作ることだと感じています。偉大な師匠はそこに近づくだけで学ばなくてはならないという気持ちを起こさせます。それが幻想でも思い込みでも構わない。とにかく学ぶ気持ちを起こさせたらそれは立派な教師…

活躍のさせ方

普段はどうしても消極的な生徒が突然いきいきと活動することがあります。多くの教員が経験していることであり、注目すべきことです。 消極的な行動の理由は、多くの場合、自信のなさに起因しています。自分のやることに信用が持てない結果、周囲を見回して他…

実感的学習

最近思うのは学習は実感が伴わないと頭に入らないということです。効率的だといわれる方法がほとんど役に立たないのは、実感が足りないのです。 精巧なシミュレーションで練習してもなかなか腕が上がらないのに、実際に現場に立ってみるとすぐに技能が身につ…

得意を伸ばす

最近はつくづく得意を伸ばすことの重要性を感じています。何でもそつなくやるのは大切ですが、それが機械に代替されてしまうかもしれない。大切なのは得意分野で突き抜けることなのでしょう。 すべての教養の基礎作りをするのが私たち教員の役割であることは…

大学進学の意味

大学に進学するのにはどのような意味があるのか。大学が就職予備校のようにも考えられている現状において、本当に必要なのは何かを考える必要があります。 こどもの頃はみんなが平等であればいいのにと思っていました。基本的にはいまもそれほど変わりはあり…

きっかけの宝庫

学校は生徒の学びのきっかけをどれだけ与えられるのかで評価されるべきだ。

目標設定

新しい教育の方法として目標設定を生徒にも明確化して、自己評価が促進されるようにするべきだという意見があります。もっともな考え方なのですが方法を工夫しなければ効果は出ません。 生徒に目的を提示するならば生徒が理解できる言葉を使って説明すること…

認められている安心感

教育の効果を発動するためには何よりも認められているという安心感を提供できるかどうかにあると常々思っています。私たちは自己肯定をしにくい環境にあまりにもつかりすぎているために、他人とのコミュニケーションに全幅の信頼を置くことできません。それ…

省略と効果

教員の働き方改革はもっとも難度が高い案件と考えられます。もともと職務の幅が大きく、個々の職務が重要だからです。私は仕事の省略と効果の向上の問題を真剣に考えなくてはならないと感じています。 まず単純に学校職員の数を増やすことを提案します。事務…

教育改革過渡期に生きる

教育改革の過渡期にある現在、私たち教員は叡智を集めなくてはならない局面にあります。自ら課題を見つけ、まだ答えのない問題に対して解答する能力の育成が課題になっているのです。 問題意識を持つことや、関心を維持して考え続けることは、これまで個人の…

教え諭す

教員などを長く続けていると様々な人間関係に直面します。中には生別死別を伴う悲しい問題もあるのですが、多くの場合はすれ違いや小さな衝突に属するものです。 いわゆるトラブルというものの大半は誤解に基づくものです。相手の気持ちを思いやる想像力が及…

こだわるところとすてることろ

勤務時間の縮小が求められている現状ではやらなくてはならないことがあります。特に教員の世界で求められているのは仕事の選択です。やらなくてもいいのにやっていることは、まず切り捨てられます。やらなくてもいいのにやらされていることに関してはその依…

同調性

日本ではみんなと一緒ということに高い優先順位を設けます。文化的なバイアスがあるのか、この方面のスキルは他国より高いようです。学校でも繰り返し他人と同じことをするように求められ、社会でも異端となることを嫌います。 一人で独自のことを行うのはそ…

試験に出ませんけど

ものを考えさせる授業において試験に出ないことを盛り込むのは重要だと考えます。私たちは効率を重視しすぎて答えや問題の解き方ばかりを教え込もうとする。基本的にはそれは教えなくてはならないことなのですがそればかりではうまくいかないようです。学ぶ…

分かりやすさは不親切

分かりやすく説明することは私たち教員にとっては大切な能力の一つです。難しいことを分かりやすく述べるのは重要です。ただ分かりやすさを追求し過ぎるとかえって教育的にはよくないとも感じます。 私たちは端末で検索すれば答えが得られると考えてしまう傾…

学校は勉強するだけのためにあるんじゃないよ

何かが不安で学校に来られなくなっているんだね。誰にでも不安はあるものだよ。君だけが特別じゃない。それを素直に認めることができる分だけ、君は真面目に物事に向き合っているんだよ。間違ってはいない。僕だって毎日不安で、失敗ばかりで、また失敗を重…

人のため

勉強ができるということが特権のようなものになっていく時代になりつつあります。日本では誰もが平等な機会を与えられるというのが教育の基本にながらくありました。でも、現実にはそうではありません。親の職業や収入、信条、住んでいる地域などによって教…

省力化

職場の勤務体系が変わり、ほとんどが全員勤務しない日になりました。少ない人数で仕事を回すということになります。そのままのことをやっていたのでは一人当たりの仕事が増えてしまうのでやるべきことを減らして対応することになります。 簡単にできることと…

授業の計画

この時期になると来年度の授業はどうしようかと考え始めます。同じことを繰り返すのが原則的には好きではないので毎年試行錯誤をします。チームを組む教員には迷惑をかけるのですがこれだけは譲れません。 漢字のテストも既製品ではなくオリジナルを作るので…

考えるきっかけ

このブログは大抵が朝の満員電車の中で書いています。通勤途中の本当に身動きが取れなくなる直前までに書かなくてはならないので10分はありません。ただこの時間に文章をまとめることで考えるきっかけを創出していることには意味を感じています。 今の教育に…

やる気を演出する

最近の教育実践の中からつくづく思うのは、生徒に内発的学習意欲を発動させることこそ教員の最大の課題だということです。そのための方策こそ検討する価値があります。 定期試験で高得点を取り、結果として成績もよいのに学習それ自体にはあまり興味がない。…

情報に意味を見出す力

大量の情報を検索して、いくつかを組み合わせ、その結果を分析する能力はひところまでは現代人に必須とされてきました。今もそれは変わりません。てきぱき仕事をこなす人はできる人という印象があります。 ところが、こうした作業のほとんどがコンピューター…

教えることが学習の方法

日ごろから実感していたことですが、最近読んだ本にも同じことが書いてありました。それは学習方法の一つとして、人に教えることがかなり有効な方法であるということです。 教えるためにはその内容を言語化しなくてはなりません。そして学習者の立場にたって…

授業内復習

生徒のノートを点検していて気づいたことを自分ための備忘録として書いておきます。予想通り、板書したことをただ忠実に写しているだけでした。これでは短期記憶の材にしかならない。 もちろん中には私が話した冗談までメモしてくれた生徒もいました。それは…

勉強にも体力がいる

頭はいいが体力がないという話はよく聞きます。机に向かって何かをすることには体力は不要で、スポーツには体力がいる。頭でっかち、筋肉ばか、などの言い方もよく言われています。これはどうも違うようです。 確かに頭脳派、体育会系といった分類はよくなさ…

次なる目標

受験を終えた生徒には乗り越えなければならないものがあります。次の目標を設定させることです。 入学試験に合格することは大変な努力が必要です。それを果たした生徒にとって得られる達成感はとても大きい。しかし、その達成感が場合によっては無力感に直結…

補助としてのデジタル教材

デジタル化は教育の世界にも浸透しつつあります。教材のみならず、生徒の学習方法そのものがコンピューターの力を借りて変わりつつあります。 授業は複数の生徒に向けて一斉に行われるため、どうしても個々に理解度が異なります。大半の知識は積み重ねででき…

学習無力感の背景

かつては博覧強記は知性の代名詞でした。様々な知識を蓄え、尋ねると即座にこたえられる人物には惜しみない賞賛が成されました。ところが、最近はこれだけでは足りない、むしろそこには力点を置くべきではないと考える人が増えている傾向があるようです。メ…

癒し励まし

気がつけば最近読んでいる本は、自己啓発に何らか関わるものが多いのです。教育関係の書籍にもこの要素が大きく、情に訴える技術というちょっと屈折した技法を書き連ねたものがあります。 癒し、励ますことを生産性向上と結びつけたビジネス書籍もあまたあり…

ポートフォリオに書き込むもの

教育改革の一つに高校時代に何をしたのかを評価の材料にしようという流れがあります。これまでも調査書というものがありました。私も作成したことがありますが、よほどの賞罰がない限り、紋切り型の表現で埋め尽くされた凡庸なものでした。これをより詳しく…