はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

渋谷の夜

 昨夜、所用があって渋谷に行ってきました。渋谷は私が思春期を過ごした町であり、それなりの思い入れがあります。もちろん、私が暮らしていたときとは町並みがかなり変わりました。
 それでもたとえばよく通った古本屋がいまでも続いているのを見つけると、何故か安堵感が得られます。

 裏通りは夜というのに賑わっています。怪しげな雰囲気の人も混じり、まさに雑踏というにふさわしい。飲食店から漂う食欲をそそる香りと、それを打ち消すかのような道端の悪臭。それが都会には混在しています。

 まるで雑踏の中に埋没することを必死にもがいているような奇抜なファッションをする人もいます。しかし、それは限りなく類型的で、結局渋谷の町に飲み込まれてしまいます。
 ビルの壁面に絵を描く若者がいました。看板を兼ねたこの絵で彼らはなにを表現しようとしているのでしょうか。
 渋谷に行くたびに自分がかつてここに住んでいた時間を思い出します。めまぐるしく変わっていく町並みを見ながら、変わること自体は以前から変わっていないことに、不思議な懐かしさを感じるのです。