はてなの毎日

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アニメ声から絶叫へ

 衣料品売り場、とりわけ若い女性の衣料品店の販売員はどうしてアニメのキャラクターのような高く舌っ足らずの声で話すのでしょうか。しかも機械的に繰り返される「いらっしゃいますぇー」はなんとも奇異です。

 ある考察によればああいう発声は遠くまで通る周波数に近いとか。通勤電車の車掌がわざと鼻声で発声するのと共通する工夫ではないかという説です。

 また、日本人には幼児性のあるもの、未完成なものに魅力を感じる感性があるといわれることが多いですが、それも関係しているのかもしれません。とりわけ若い女性相手の商売では可愛らしさは顧客誘引の絶対条件でしょうから。

 ところが、最近また違った光景を目にすることがあります。それはアニメ声を繰り返していた若い女性たちが今度は手にメガホンをもって絶叫しているのです。タイムセールですとか、割引率が高いとか、おまけがつくとか、そういう特典を大声で叫んで通りすがりの客を引きとめようとしているのです。若い女性たちの声ですのでさほど耳障りというわけでもありませんが、これもまた不思議な光景です。

 景気の停滞の中で消費者の購買意欲が低下した中、なんとか消費行動を誘発しようとする努力はさまざまありますが、このアニメ声や絶叫はある意味今の時代を反映した現象なのではないかと考えています。