はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

こどものために

 私が若い世代のために何ができるかを考えると、それほど多くはないことに気づきます。ただ、幸い教育現場で働いているため直接語りかける機会が他の方よりは多少多い。そこで、なにを伝えるかが問題です。

 自分の教える教科のカリキュラムをこなすことはもちろんですが、それ以上にやらねばならないのは自身で考える力を身につけることの大切さだと思います。情報化社会のなかで我々は多くの発言の手段を与えられ、それを濫用しているうちに、本当に今必要なことは何なのか、何が正しくて何が間違っているのか。その正当性は誰にとって有効なもので、普遍的なものなのか。といったことについてそのつど判断することができなくなっているようなのです。

 だからいま必要なのは周囲に横溢するさまざまな情報や意見、ものの考え方のうち、もっとも自分にとって有効であり、なおかつ社会にとっても継続可能なものを選択する力を養うことです。そのためには今おかれている状況をできうる限り客観的にとらえ、決定する時には自主的積極的に行動するという異なった頭の使い方を同時に行なう方法を覚えてもらう必要があることになります。

 私の教育活動はすでに後期あるいは末期に入っていますが、これを伝える方法を確立することを課題としていきたいと思います。