はてなの毎日

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モラルというよりも

 飲食店などのアルバイト店員などが店内で不適切な行動をした上でそれを写真に撮って公開し、多大なる迷惑をかけている事件が話題になっています。最近の報道によれば、営業を取りやめた店舗がありその人物に賠償要求も行なうようです。支払能力があるのかは分かりませんが、本人にとってはちょっとしたいたずらであったとしても一生の責務としてのしかかることになるかもしれません。

 アルバイト店員のすべてがかような低レベルな人物とは思いませんし、まして一部で言われている低学歴が原因との暴論も当たっていないと思います。どんな立場でも勤労に誇りを持っている人がいることは身近な例で知っています。

 モラルの低下はもちろん大問題です。食品を扱う仕事において衛生は一番のことであり、それさえも守れない人物はそもそも働く資格すらありません。起こしたことに対しては厳罰に処せられてしかるべきでしょう。

 しかし、私は一方的に悪者を排除すればいいという立場にはたてません。そもそも、労働に誇りをもてない人材を輩出している原因は何なのだろうかと考えてしまうのです。労働内容そのものに関心がなく、ただ金銭を稼ぐためだけに働いている人、しかもその正当な労働価値に比較して安価な賃金を強いられている者たちが今回の事件の当事者たちの多くのようです。そのような雇用形態を生み出したのは誰なのでしょうか。

 また、しかるべき現場での教育を十分に受けていたのか。彼らを監督すべき人物はどこにいたのか。そして再発を防止するための手立ては立てているのか。安い賃金で働かせて、あとは野放し、そのまま現場で起用している。そういったことが気になるのです。

 そうでもしなければ競争に勝てないという事実もありそうです。そこで私たちにも責任を感じます。安ければいい。多少の無作法には目をつぶろうという風潮を作ってしまっているのではないでしょうか。私たちはサービスという目に見えないものに対して代価をはらうことにもっと関心を持たなくてはなりません。また安かろう、悪かろう、汚かろうからは脱却すべきなのです。

 こういうふうに考えていくと一連の事件は最近の一部の若者が起こした特別な事件なのではなく、一種の社会問題ではないかと思うのです。