はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

終戦

 今日は終戦記念日です。日本にとっては敗戦の日であるとともに、二度と戦争を繰り返さないことを確認する日でもあります。しかし、実際に戦争を体験していない世代が年々増えていく中で、戦争は急速に観念化し、実体の伴わないものになっています。無責任に隣人や隣国を非難し、あたかも自分だけが正しいかのように信じている人がいかに増えてきているか。それは日本だけではないようです。

 隣国の中にも戦争責任を既得権利の保全のために利用したり、自分の失策から国民の目をそむけるために利用したりする向きがあります。つまり内外で戦争の体験は風化し、現在の権益のために利用されつつあるようです。

 過去の事実を踏まえつつ、いまの状況を見直すこと。これが何よりも大切なことなのですが、過去に拘泥するあまり次の一歩が踏み出せなかったり、逆に現在のことを中心に考えるあまり、過去を無視したり場合によっては解釈を意図的に変更したりするのはどうしてなのでしょうか。おそらく、これまでの人類の歴史の中で戦争がなくなることがないのは、こういう時間を越えた視点を我々が持ち得ないという能力的な限界があるからなのかもしれません。

 それではいずれ再び不毛な戦いを繰り返すのでしょうか。私たちはまだ戦争に対して漠然とした不安を持ち、何としても防止したいという思いを残しています。できることはそれを大切にし、伝えていくしかありません。平和を語ることは必ずしもかっこいいことではないように思われていると感じられる昨今、私のようなものでもできることはありそうです。