はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

危険なお客様意識

  金を出しているのだからサービスを受けるのは当たり前だというお客様意識が社会をぎこちないものにしている気がしてなりません。対価的な見返りを求める考え方は、実はそれ以上のおまけがあることを暗に前提としたわがままが内包されているからです。
  確かに例えば外食産業の最近のサービスは人件費の削減の影響か、目に余る場面にしばしば出会います。マニュアル通りにしか対応しない店員、そもそもサービスそのものに職業意識を感じさせないふるまいなど、私でも腹が立つことがあります。
  ただ、その代わりに安価な代金で済んでいるのであり、一定のサービスは確かに受けているのです。人を雇い、職業意識を持たせ、相応しい振る舞いをさせることに対してかかるコストがいかに高額であるかを考えれば、すぐに分かることなのです。
  ただ、私たちは客ならば少々のわがままは許されると思い込んでおり、近年それがさらに顕著になりつつある様に思えてなりません。お客様は神様です、という台詞が客自身によって語られる時、歯車が狂いだします。
  この考え方は生活の各所にはびこっています。社会制度、行政に対する考え方もまるで自分がサービスを受けるだけの側であるかのように振る舞い、背景にある諸問題を考えずに、自分勝手な批判を繰り返します。実は自分も社会の一員であることを都合よく忘れてしまうのです。
  私自身の中にもあるお客様意識の存在について、反省する必要を感じているのです。