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昭和天皇実録公開

 昭和天皇実録が公開されたことが大きな話題になっています。激動の昭和を神とも人間とも称され、最後には象徴というなんとも不安定な立場の生涯を記す大切な資料と考えられています。歴史的な考察は今後の研究を俟つとして、迷走気味の最近の日本の指標の一つになるのではないかと思います。

 考えてみれば古代から、天皇はその最高権力者としての立場をほとんど発揮する機会に恵まれず、時々の権力者の権威付けのために利用されてきました。古代には意のままにならないために殺された天皇まで存在します。

 我が国にとっての天皇制は常に歴史の一種のよりどころであって、その意味では現在の我々は天皇を民主主義、あるいは平和国家の維持のために、言葉は悪いですが利用させて頂いているのかもしれません。天皇靖国神社に参拝されないことで、政治家たちの無配慮に対して国際的な緩衝材の役目を果たされているのがその端的な例といえます。

 ただ、かつての歴史がそうであったように、天皇の権威が悪用されることはこれからでもいくらでもあるのです。常に政治に関心を持ち続けること、それが私たちにできる最低限の事なのかもしれません。