はてなの毎日

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観光という外交

 中国から日本への旅行者が増えているそうです。中国の経済成長に加えて、円安がその背後にあるようです。社会体制の大義名分とは異なり貧富の格差が拡大している中国では富裕層や中間層の人口が増えつつあり、渡航者の多くは購買力の高い人たちのようです。これを商機ととらえるのはもちろんですが、私は政府の意向を通さない草の根の外交の手段として注目しています。
 中国や韓国では反日教育をそれぞれの国の成長のための手段として使っているようです。歴史的ないきさつに関する反省は怠ってはなりませんし、史実に関しては大いに議論を重ねる必要がありますが、それが今日の外交問題の取引手段になるとなると話は別です。為政者の立場になるとこのカードは使える手段なのでしょうが、それが東アジア地域の不幸を生み出していることも事実です。
 報道によれば、中国人は日本に来たら暴行されるのではないかという不安を持っている人もいるそうです。これは日本人が中国旅行について漠然と思う不安と共通しています。しかし、日本においては中国人だからといって差別する事実はありません。日本は中国に対して文化的には古き師として仰ぎ、特に食文化の世界では理想の一つとして受け入れられています。
 こうした事実を為政者のフィルターを通さずに体感してもらうチャンスが日本への旅行だといえるでしょう。日本人としてはこれを「誤解」を解く好機と考えるべきだと思います。我が国の今後を考えると近隣国家といかにうまく付き合うかにかかっています。どんな軍艦やミサイルよりも強力な親日家という力を手に入れるのは観光という方法なのではないでしょうか。
 オリンピック開催に向けて国策としても観光に力を入れるようですが、受け入れのための具体的な方策を実行していくのが急務なのです。