はてなの毎日

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既読スルー

 若い同僚から教えてもらった言葉に「既読スルー」というのがあります。おそらくこの記事を読んでいらっしゃる方ならほとんどご存知でしょう。この用語はLINE(平板にラインと読むのも気持ちが悪い)を使う人にとっては当たり前で、かつ深刻な問題らしいのです。

 LINEはメンバー限定型掲示板ともいうべきものですが、メッセージを見たかどうかを、他のメンバーに告知する機能がついている点に特徴があります。つまりまだ投稿したメッセージを読んでいないのか、読んだけれど返事をしていないのかが分かるというのです。実におせっかいな機能です。この機能があるおかげで、発言者は自分のメッセージが相手に届いたのか確認することができますが、受信者としては返事をする義務を強要されることにもなりかねないのです。そして既読の表示があるのに返事がない場合、「既読スルー」となり、発信者は自分の発言が無視されたのではないかと気をもみ、読者は反応しないと相手に悪く思われるのではないかと悩むというわけです。

 このやり方で言えば、私の日常生活は基本的に既読スルーです。何か言われても自分にとって重要でないことにはいちいち答えないし、重要であってもすぐに答えられないこともあります。よく考えてから答えたいこともあり、それが場合によっては数時間後であり、数日後であり、数年後の時もあります。スルー(through)ではなくて、考えている時間なのです。
 どうも若い世代の中には即答しなければ人間関係が保てないという脅迫観念があるらしい。それが「既読」表示機能で促進されているようなのです。若い世代ではないと自認する私はこれからも既読スルーをモットーにしていきたいと抗っているわけです。