未発達

　あくまでも非科学的な印象批評です。人には誰も未発達な要素があるのではないでしょうか。他の人にはできることが自分にはできないという経験はおそらく一度はあるはずです。身体の機能や心の働きにおいて未発達な要素が人によって少しずつ違っているのではないでしょうか。

　大抵は別の機能によって補完されてしまうのでそうした未発達な部分は隠されて目立ちません。経験が弱点をカバーする訳です。何度もの失敗の上で編み出された対策は、時として本来の身体機能以上の働きをします。だから、未発達な部分があることに自他共に気づかないことの方が多いのかもしれません。

　それでも人生の途中で自分の未発達領域を自覚せざるを得ない場面が何度もあります。他人にはできて自分にはできない身体の動きや、心の使い様があることを痛感することです。場合によってはかなりのショックであり、立ち直れないと感じるほどに打ちのめされることもあるかもしれません。

　人は誰も未完成で発達できない要素を抱えているということを想定できることが大切なのではないでしょうか。できないことがあって当たり前であり、それを自他共に認め合うことが社会の不可欠要件だと思います。