はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

ちょっとした挑戦

 この歳になるといろいろなところでがたが来たと感じることが増えてきました。いま一番困っているのが老眼の進行です。細かい字が急に見えなくなってきました。スポーツ選手が引退を決めるのはおそらく筋力の衰えというよりは視力の減退によるのではないかと私などは考えているのです。

 でも、加齢による衰えを嘆くだけではいけない。すべてをマイナスで考えてはいけないのではないか。そう思って無駄であるとは思いつつも新しいことを始めようという企てを持っています。それらのほとんどはこれまでやってきたことの延長ではありますが、それでも確かに今までやったことがないことなのです。

 年代別にやるべきことをアドバイスした本がありますが、自分の世代のそれを読んでみると、物質的にはダウンサイジングしても精神的にはむしろわがままを通した方がいいとありました。つまりモノよりココロの豊かさを目指すべき世代に自分はいるのです。

 老後のことを考えると限りない不安が襲ってきます。特に最近の流行語であるといってもいい「老後破産」という言葉の持つよどんだ恐怖心は、私の心を冷たく凍らせます。物質的な豊かさにけりをつけなくてはならないときはやがて来るに違いない。しかし、心の豊かさに関しては譲ることがないようにしなければなりません。そのためにはものによらない幸福感を得られる何かを獲得しておかなくてはならないでしょう。

 今できるのは、これまで知らなかった素朴なしかも確実な喜びを探すこと。そのためには日常の繰り返しから一歩踏み出す勇気をもって、ちょっとした挑戦をすることだと思うのです。