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教科書は電子化しない方が効果的

 どんなに技術が進んでも中等教育の教科書は紙面で提供すべきです。すべてを電子化することは大きな過ちだと思います。

 ICTを教育の現場に活用しようという風潮は止まることはないでしょう。いわゆる反転型の授業を完全に行うならば、インターネット検索をすべての生徒ができる環境を作らなくてはなりません。これは思ったよりも実現性は高いようにも思います。スマートフォンの中高生への普及が進んでいるために、これを情報端末とすることも可能だからです。さらに、タブレット端末のコモディティー化が進む中で、電子辞書を買うのと同じくらいの負担になるはず(もうなっているかも)です。学校で授業に使いうるLANの設備さえできればいいことになりますが、それは実現可能な目標であると言えます。 

 しかし、どんなICTが普及しようと紙の教科書のもたらす教育効果は衰えることはありません。電子媒体のもたらす情報は大量かつ網羅的であり、その大半が不要のものです。その中から必要なものを選び取って自分の意見形成に生かす力を身に着けることは大切なことですが、一方で本当に学ぶべきものが見えなくなってしまう致命的な欠点があります。教科書はいわば伝えたいことの基本であり、最低限の情報です。教えることの型を示し、発展の仕方を伝えるのはやはり紙面であるべきだと思うのです。もし教科書までも電子化するならば、その記載内容は他の情報と同様のスループットの扱いになります。

 以上から、紙面の教科書は今後ますますその価値が上がるというのが私の考えです。ただし、今のままではいけない。情報検索がおこなわれることを前提とした作りが必要だと思うのです。