はてなの毎日

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ブックトークの手法

 複数の書籍を関連付けて紹介するブックトークという読書推進策があります。たとえば「お正月」ならば正月にちなむ本をいくつかつなぎ合わせて紹介してくのです。その中には一部の朗読や挿絵などの紹介、さらには小道具を用いたちょったしたパフォーマンスまでも含まれます。大切なのはすべてを語らないことで実際にその本を読んでみたくさせることにあります。あくまで誘因策なのです。

 この方法は小学生の図書の時間に何ができるのかという観点から発展してきたもので、司書や司書教諭の腕の見せ所になっているようです。私は中等教育をやっていながらこの事実についてよく知りませんでした。勉強不足を恥じるばかりです。

 子供たちに本を読むきっかけを与えるという点においてブックトークは有益であると思います。特に小学生以下の子供には効果を発揮しそうです。その反面、既成の台本を使うのでなければ教育者側の負担はかなり大きく、演じる側の個人差が出やすいと思います。私自身はそういうものこそ教える意味があると考えています。マニュアル通りに機械的にものを教え、マニュアルを作っている大元がその成果を試験で計るという今日の方式は合理的なようでどこか変です。

 ただし、現実的にこれを毎週行うのは難しく、そのための準備は大変でしょう。私は図書の時間がない中等教育における読書推進策を考えているのですが、教員による誘導といった方法は時間的人的に無理があります。毎週の授業で行うのは無理かもしれません。もう少し長い周期で面白い本を紹介するという時間はあってもいいと思っています。

 教員ではなく生徒にやってもらうという手があります。中学生以上ならばそれが可能になります。たとえば、朝礼や終礼で生徒に自分の気に入った本を一冊ずつ紹介させる試みはこれまでもやったことがあります。ただ、短期的な取り組みになることが多く、その成果や効果も限定的でした。

 どのようにしたら、本を読まない高校生の心を動かせるのか。試行錯誤はまだまだ続きます。