はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

死蔵している何か

 読まなくなった本が私の本棚にはたくさんあります。その中には何が書かれていたのかも思い出せないものも多数あります。その中の幾つかはページを開くと大体の内容が湧き上がってくるものもありますが、まったく思い出せないものもあります。死蔵というのことばを私は好きではありません。そんなものは捨ててしまえと平気で説く方もいらっしゃいますが、私はそれほど思考というものもを単純化できません。

 脳の組織もその本来の能力のうちのわずかしか使っていないと聞いたことがあります。使っているのはごく一部の機能だけであり、大半は死蔵しているのです。私達の生き方の大半はこのように冷静に考えれば非効率的なものに囲まれており、それをいかにすれば活用できるかを考えることが課題という人もいます。

 しかし、死蔵している何かがあるからこそ保たれている現在があるということも考えるべきではないでしょうか。多数の一見無駄と思われるものが、実は無駄ではなく役割を果たしているということを私はどこかで信じているのです。