はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

無意識なゆえに

 無意識のうちに人を傷つけることはよくあることです。無意識なので罪悪感はない。それがかえって深刻なのです。

 例えば自分は歳をとって体力が落ちたと嘆くまではよいのです。おそらくそこにはそんな自分を労わってほしいとか、大目に見てほしいという思いが隠されています。ところが、その嘆きの中にもう自分は終わりだとか、これ以上歳をとって状態が悪くなったら生きていけないとかいう表現を無配慮で使うとしたら問題があります。その周囲にはもっと年配の人がいるかもしれませんし、年配でなくても体力的な減退に悩んでいる人がいるかもしれません。

 私たちは小さな仲間内を形成し、その中では配慮をいきわたらせるのに、仲間以外の人にはきわめて無頓着になるという性格を持っています。それが物理的な距離よりも優先されるとき、可視可聴範囲の人の存在も無視してしまうのです。それが時にはトラブルのもとになり、精神的なダメージを残すきっかけにもなります。

 無意識、無自覚な非難、中傷こそ私たちがもっとも気を付けなくてはならないことなのです。