はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

遥かなる万葉集

 学生時代に愛読し研究していた万葉集を最近全く読み返すことがないことにはたと気づきました。万葉集上代の人々の思いの詰まったものです。最近の研究ではあまりに国粋主義的な読み方が間違いであり、むしろ極東文化の中に位置付けて読むべきであり、しかもそれなりの文芸意識のもとでできた作品群であるとされています。

 そうはいっても現代の社会の在り方から比べれば遥かに素朴かつ素直な人々の在り方を映すものとして読み味わうことができます。あらゆるものに神を感じて畏れ敬い、人を思い魂を通わせる様はいつ読んでも深淵な空間をのぞき込むような感覚を抱かせるものです。

 時には万葉集を意味もなく読み返す、そんな心の余裕を忘れたくはありません。