はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

学問へのアクセス

 昨今の教育界にとって多少気になることは、新しい評価基準を推奨したいがために従来の方法を全否定する向きがあることです。

 確かに知識偏重の教育スタイルは様々な弊害を生み出しているともいえます。でも、一方で日本型教育は教養の平均的水準を上げ、維持してきたという功績があるのは事実です。

 日本の制度が上手く機能しないのは、教授法の問題だけではなく、学ぶ側の要求度合いの低下による要因もあります。せっぱ詰まった学問へのアクセスがないまま、教室に向かっても吸収できることは少ない。

 海外の大学に行った学生が大学の授業を絶賛するとき、それに感心するとともに、なぜ同じことを日本でもやらないのかと考えるのです。講義を聴いた後にそれを検証し質問するということはできるはずなのに。

 私が学生の時にもそういう熱心な人はいました。確かに彼は変人のようにも考えられていましたが、話してみると純粋にその分野のことが好きだっただけのようでした。

 制度だけではなく、学問の必要性を実感させることが、日本の教育には必要なのだと感じるのです。この態度を育成するのが中等教育の役目なのかも知れません。