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貧困と学力

 大阪府が小中学生に対して行った調査によると、貧困と学力には相関関係がある可能性があります。読売新聞が報じていました。調査によると学校の勉強が「わからない」と答えた児童・生徒は親の収入による区分の貧困層の場合は27.6%で、最上位層の12.9%の倍以上です。このほかにも朝食を食べない割合や勉強時間が少ない割合において顕著な差があり、経済状態が学習環境を悪化させ、それが習熟度に影響を与えていることが推察されます。

 他方、東大に合格する生徒の親の年収が平均するとかなり高いことは以前から知られています。学費の高い私立高校に通わせたり、学習塾や家庭教師の補習を受けたりするなどの付加的教育も与えられている恵まれた環境の生徒が難関大学に入ります。その人たちは高収入所得者になる可能性が高く、自分と同じかそれ以上の教育への投資を自分の子供にさせることになるわけです。

 学習状況が社会的な成功に大きく関与することを考えれば、貧困の再生産がおきる可能性を示しているといえます。あるいはすでに発生しているともいえます。親の経済状態が子に影響することは現実としては仕方がないという一面もあります。ただ、学習の機会をはじめから奪うようなルールは社会の停滞を生み、結果的にはその社会全体の損失につながります。環境が悪くても学習意欲を失わせない何らかの仕組みが必要かもしれません。

 学校そのものの仕組みを変えていく必要もありますが、教育に投資する者の意欲をそぐような改革は無意味です。つまり単に平等にするというのでは逆効果でしょう。大切なのは学びたいと思わせる気持ちを醸成することと、学びたいが経済的理由で学べない子供たちをいかに救済するかです。放課後の教室や、公共施設の会議室などを地域が貸し切り、退職教員などが担当する補習ボランティアのようなものがあればと思うのです。会場費や教材費は寄付と低く抑えた受益者の負担で賄います。私もそういう機会があれば手を挙げたいと考えています。