変わらぬ桜
南町田駅前のロータリーが完成してバス停に並ぶ人の列ができるなど風景が変わりました。かつての駅前のシンボルだった楠は枝葉を落とされて移植されましたが、養生のための莚が施されたままの痛々しい姿です。
工事区域からわずかに外れたところにある桜はそのまま手つかずであったため、今年も満開直前の時を迎えています。もちろん桜自体が成長しており昨年のままではありませんが、桜花には1年の経過を痛感させる何かがあります。
子どもの頃に見上げた桜、喜びや悲しみ、悔しさ、つらさの気持ちの中での桜、新環境に震えたことも、狂乱の花見も。さまざまな心情が桜の風景とともに想起されるのです。
おそらくこの駅前の一株も将来何らかの感覚とともに記憶の一つに組み込まれていくのだと思います。町の変化は避けられませんが、変わらぬ風景はそんな意味で必要です。