はてなの毎日

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字の上手さと学力

 ある方が字の上手い人は一流の学力を持っていないと語ったとか。これは明らかに間違いです。一流の定義や字の上手さを何で測るのかという根本的な問題は棚上げすることにしても一流の知識人のすべてが悪筆という訳ではないし、その逆でもありません。字の巧拙は別の要因になるものなのです。

 日本には文字の形自体に芸術性を感じる感性があります。主に直線から構成される漢字と複雑な曲線からなるかなは、様々なバリエーションを生みやすく、それが書道という実用と芸術の両面を持った文化事象を生み出してきたのです。

 学力向上のために字の美醜に教育の場で固執するなという意見もあります。私はある程度は拘るべきだと感じています。従前の文化的な側面を伝えるのは学校教育の使命の一つです。また、字が自分のためのみならず他人のための情報伝達手段であるということを伝えるためにも、読みやすい字を書かせるのは当然のことです。