はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

稲穂を揺らす風

 田園都市線の沿線はすっかり都市化が進み、ほとんどが住宅地です。そんな中でもわずかに田園が残る所があります。

 鶴見川に掛かる鉄橋は、川幅より遥かに長い高架橋です。その河川敷には田畑があり、車窓からも季節ごとの光景を見ることができます。今朝は実りが始まっている稲穂がありました。遠景の一部ではありますが、私は過去の記憶が連動していろいろなことが思い浮かぶのです。

 稲の花が咲いて実りが日々大きくなると稲穂の揺れ方がだんだん規則的になっていきます。そして全体の色合いが変わり、独特の香りも漂い始めて秋を実感するのです。田舎に住んでいた頃の記憶がわずか数秒の風景から湧き起こります。

 田園都市線とは名ばかりのこの沿線の僅かな夢のひとときです。