はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

要するに

 話の要約をさせていると読解力の個人差が見えてくることがあります。要するに何が言いたいのかを聞きたいのですが、話の詳細にこだわりすぎてその主旨がつかめない生徒がいます。教科書に書いてあること、先生の言ったことはすべて覚えなくてはならないという思い込みがそうさせているようです。

 それでも過去に比べれば生徒の考え方は変わってきました。詳細はあとでネットでも検索すればいいという風に考えるようになってきたのです。実際にはそこまですることはなく、結局理解できぬままに過ごすことが多いのですが。いずれにしても全文章を暗記するということを目指す生徒は以前に比べて減りました。それでもやはり「要を得る」能力をのばさなくてはならない生徒は一定数います。

 要約力が低く、なおかつ学習意欲が高い生徒は授業後に必ず質問することがあります。授業中に書き取ることができなかったのでもう一度話してほしいというのです。そして、それが脇道にそれた内容であることが多いのです。何が意見で、そのための具体例や分析にあたる部分はどこなのかという話の構造を見抜く力をつけさせることは、そういう生徒諸君にとっては不可欠です。

 私はいまそういう生徒への対策として、要約課題の自主提出を求めています。また、自分自身の意見を書かせたり、人の意見のメモを取る練習もさせてみたいと思っています。要するにこの人は何が言いたいのか。それを端的にまとめる力は国語教育の中核にあるべきものでしょうから。