パリジェンヌ展
先日、世田谷区の砧公園にある世田谷美術館の「パリジェンヌ展」を観てきました。女性の生き方や描かれ方について考えさせる内容でした。
パリジェンヌには洗練された先進的な女性像があります。しかし、この展示を見る限り、憧憬のみならず侮蔑の対象にもなっていたことが分かりました。一方でファッション界のリーダーと見なされながらも、伝統的な倫理観には背く存在として非難され嘲笑を受けていたことが分かるのです。
働く女性の姿も描かれていました。一方的に描かれる存在だった女性が描く側に回り、それまでとは違う目線で人や風景を描き始めたのです。モデルの表情にさえ違いを感じました。
カサットのようにパリジェンヌは必ずしもパリの出身とは限りません。世界各地の女性をひきつけ、そこで様々な作品を創作する舞台を提供する。それがこの街の魅力なのだと分かりました。
この企画展は4月1日まで行われています。