はてなの毎日

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年賀状・レンタルビデオ・書店

 はがきの郵送料を据え置いてまで販促をはかった年賀状はやはり売れなかったようで、来年度からは10円割引をやめるとの報道がありました。はがきを出すこと自体の文化がなくなりつつある中で年賀状を出す人は年々減少していくようです。そもそも、年賀状を印刷し、ほとんど何も書き込まずに投函する人が増えた時点ですでに消え去る運命にあったといえるのかもしれません。はがきに求められるのは自分のためにわざわざ手間をかけ、自分のためだけに書いてくれたことを思わせるメッセージのリアリティであり、同じものが他人にも送られていることが予測できるようなものでは、ネット上のメッセージに代替されます。はがき販売をビジネスとして成功させたいのならば、はがきの魅力を分かりやすく説明するしかありません。値段をいくら下げても効果はなさそうです。

 TSUTAYAなどのレンタルビデオの店舗数が急減しているようです。ネット配信のコンテンツやテレビ局などのオンデマンドサービスなどが普及したことによって、実物を店に借りに行かなくても作品を見ることができるようになったからと言います。レンタルビデオ店ではそれに対抗するために価格を下げ、貸出数や期限を拡大するサービスを展開していますがあまり効果はないようです。実店舗にいくことによって得られる特別の利益が存在しない限り、この業態は現状を維持することは難しいでしょう。逆に、店舗に行かなくては味わえない何かを提供できれば、存在価値が発揮できると思います。私たちはリアルな実感に飢えているのであり、情報さえあればいいわけではないのです。

 近隣の書店の数も年々減少しています。電子書籍は私もよく利用するのですが、手軽によめる満員電車通勤者にとっては便利なものです。ただ紙の本の持つ意味は少しも減ずることはありません。書店がリアルな本を提供し続けることは意味があることと思います。レンタルビデオ店と同様に書店に行けば得られる何かを演出することが必要だと思います。物を売るだけではなく、その周囲にあるさまざまな要素を提供する場にすることが大切なのでしょう。

 情報が簡単に手に入る時代であるからこそ、情報の周囲にある何かを大切にすることが必要だと思うのです。