映像教育
ネット上での動画配信を利用して予備校講師の授業を受けるサービスが広がりつつあります。かつてはあくまで副次的な役割に過ぎなかったものが、いまでは完全に商品化され、講師がいない塾に通うというところもあります。質問を受ける役割の人員は配置されていますが、あくまで主体は画面の中の先生なのです。
こうした方法の危うさは教える方も教えられる方も、教育がデジタルメディアに丸ごと収まっているような錯覚を起こすことでしょう。実際にはこぼれているものがたくさんあるはずなのに、カメラとマイクがすべてを拾い、それが伝送されていると信じているようなのです。
学習は本と紙と筆記用具があればできるというのは実は正しくありません。大切なのは学ぶ意欲を持つことです。教師の役割はそれを適度に持たせることなのです。その配慮がなければいかなる名講義も奏効することはない。学校の役割はまさにここにあるのです。