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正解率0.7%の「難問」

  大学入試共通テストの実施に向けた試行テストの結果が報告されています。改革の目玉である記述式問題の中に正解率が0.7%という問題があったというので、それを検証してみました。

 当該問題は大問1の問3です。これは架空の青原高等学校の生徒会部活動規約の改定をめぐっての4人の生徒と顧問の教員の会話文が中心になっています。話の内容を補足する資料が4つあり、それらを見比べて会話の中の欠文を推測して埋めさせる問題です。問3は生徒が提案しようとした内容がややもすると意図しない反論にあうことを危惧した部分です。80~120字という、今回の記述問題の中では最も長い記述です。2文で書くとか、書き出しの言葉を指定したり、具体的な根拠を資料の中から挙げよなどとの条件が多数ついています。それが実は解答文を作るヒントになっているのです。「確かに」「しかし」という譲歩型の文脈を作ることが求められており、「確かに」の後に述べられたことより有力な「しかし」以下の内容を訴えるという典型的な文脈を作ることができれば良いことになります。

 条件をそろえて書くことは大変ですが、さすがに0.7%しか正解できないというのは問題であると感じました。文章の型を教え、日ごろから作文を繰り返し練習していないと書けないのかもしれません。この問題が決して難問ではないことにかえって事の重大性を意識せざるをえないのです。